オーストラリアの朝は早いです。メルボンのほとんどのカフェは7時から始まって夕方5時に閉店します。今回のコーヒーショーに合わせてメルボンルン市内のカフェMAPが配布されていましたが、これがとても便利でした。日本でも知られている有名なカフェから地元の人しか行かないカフェまで…約50店も載っているから驚きです。しかもリストアップされているカフェは、どこも人気店でレベルも高く…話では聞いていたけれど、ここまでとは正直思っていませんでした。
メルボルンでは大手チェーンショップは陰を潜め、地元の個性的なカフェがあちこちに点在しています。街中にはコンビニやファーストフードもありますが、コーヒーは自分のお気に入りのカフェを日常的に利用する方が多い事がわかります。
立地は決して一等地ではなく、路地裏にひっそりとあるお店や、一件すると外観ではわからない倉庫を改装したロースターカフェ(焙煎工場を併設)もあります。街並は古い建物を大切にするモダンな雰囲気…景観っていうのもやっぱり大切ですよね。
会場では、昨日から世界50ヶ国のチャンピオンによるWBC(ワールドバリスタチャンピオンシップ)予選ラウンドがはじまっています。日本代表の井崎バリスタは午後からの出場だったので、午前中にサウスヤラにある「Market Lane - Prahran」に行く事にしました。ここには、日本人の石川Toshiさんが働いています。残念ながら今日はWBC会場に先に行ってるということでした。
ここは第一号店です。店名の通り、様々なお店が集まるマーケットの入り口にあります。広い店内は、アンティークな雰囲気がありながら、店内はシンプルで清潔感があって、働くスタッフも自然で、お客さんとの距離感もちょうど良い感じで、思わず感心してしまいました。ここメルボルンではダイニング系のカフェが多い中、この広さでコーヒーにフォーカスした店作りも素晴らしいと思いました。お客さまに良い品質のコーヒーについて少しでも理解してもらう様なリーフレットなど細やかな工夫も随所に見られて驚きました。こうなると褒め倒しになってしまうけど、自分のお店がどれだけ努力している?と考えさせられてしまった。奥にはカッピングラボがあり、パブリックカッピングもやっているとの事だったので、参加する事にしました。
ラボルームでは、5種類のシングルコーヒーがブラインドで並べられており、参加者は自由にカッピングして渡されたシートに感じた事を自由に記入していきます。サンプルの内、2つは某有名ロースターの焙煎サンプルだったようで、一番良いと思ったサンプルは「Market Lane 」で用意されたケニアでした。オレンジやマスカット、アプリコットなど華やかでジュシーな風味と酸味に加えてキャラメルのような甘さが素晴らしかったです。
パブリックカッピングでたまたま一緒になった子は今年の1月からワーホリで来ているようでした。日本でもカフェで働いていたが、納得が行かずオーストラリアに来たものの、想像以上にレベルが高くてなかなか職に付けず苦労してるようでした。バリスタは専門職として職業的地位が高く、たとえバイトであっても資格や経験がない限り採用してもらえないのが普通のようです。日本のように採用されてから練習させてくれるOJT(採用後の実戦訓練)といったシステムはないそうです。そうした話を聞くだけでも、ベースの違いを改めて感じてしまいます。日本も何年後、何十年後にはそうなるのかな?…いやなって欲しいと願います。自分もできるところからやらなくてはいけませんね。
辻堂に残して来たスタッフたちには申し訳ないけど、やっぱり無理して来て良かったと思えた時間でした。【(3)に続く・・・】
27COFFEE ROASTERS
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